コラム畠田千鶴連載

広がるアンテナショップ 

 最近、自治体のアンテナショップの移転、リニューアル、新規出店が全国的に活発だ。地域活性化センターの22年4月1日の調査では、都内独立店舗が前年度より3店舗減少したものの、その後、長野県上田市の「UEDA  Nerima BASE」(練馬区)、長野県大町市の「信濃大町アルプスプラザ」(立川市)などが出店した。

日本列島最北端・最南端のビール 2023.3.3 筆者撮影

また、移転やリニューアルも活発だ。銀座わしたショップ本店は、94年から店を構えていた銀座1丁目を離れ、今年2月に有楽町駅前の東京交通会館の1階に移転した。同館には、北海道、富山県、和歌山県などのアンテナショップや観光案内所が10店舗以上も集積している。北海道どさんこプラザ・有楽町店も同フロアにあり、わしたショップの近くにある。日本列島の最北端と最南端の特産品が、即入手可能だ。筆者は、早速ご当地ビール(オリオンビール、網走ビールなど)、つまみを購入し、飲み比べを楽しんだ。同館にある他県のアンテナショップ関係者は、「全国トップクラスの売上と集客を誇る2店舗の相乗効果を期待している」と語る。

福井県は、銀座1丁目に「食の國 福井館」を営業していたが、24年3月に北陸新幹線が敦賀駅まで延伸するのを機に、今年2月24日、同エリアに規模を拡大して移転し、「ふくい食の國 291」として生まれ変わった。また、石川県も、銀座にあるアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」を東京駅前の八重洲エリアに24年に移転する予定だ。

流行の発信地・表参道にある新潟県のアンテナショップ「表参道 ネスパス新潟館」は、入居するビルの老朽化に伴い、今年12月に閉店する。県は外部有識者らで構成する会議でアンテナショップのあり方を検討した。その結果、アンテナショップが集積する銀座に後継店を出店することを発表している。

 半蔵門にある福岡県のアンテナショップは、今年1月、日本を代表する老舗料亭を運営事業者に迎え、装いも新たに「麹町なだ万 福岡別邸」をリニューアルオープンした。

 地方都市への出店も活発だ。21年度83店舗であったが22年度は87店舗と4店舗増加した。(地域活性化センター調べ)特に、大阪市内への出展が顕著だ。21年9月にオープンした「北海道どさんこプラザ あべのハルカス店」に続き、北陸3県(富山県、石川県、福井県)、高知県、岡山県倉敷市が出店する予定だ。大阪・関西万博の開催に活気づく関西圏でビジネスチャンスを広げようとしている。

 また、海外の出店も進みつつあり、北海道どさんこプラザがシンガポール、バンコク、「みやざき館KONNE」(宮崎県)が香港に出店しており、今後が出店を計画している団体もある。 コロナ、円安、物価高騰を乗り越え、アンテナショップが本格的に動き出した。

地域活性化センター 畠田千鶴

(Kyodo Weekly・政経週報 2023年3月27日号掲載)

連載 コンテンツ

連載1 アンテナショップ 成功のカギは立地にあり

連載2 テストマーケティング めざせ!定番商品

連載3 都会で味わう 望郷の正月料理

連載4 アンテナ店売上げ減少 デジタルで新たな挑戦

連載5 デザイン力で地域をPR

連載6 地酒でつながるアンテナショップ

連載7 SDGsとアンテナショップ

連載8 旬の果実をプロモーション

連載9 新米を味わう旅

連載10 地域のマーケティング戦略

連載11 ご当地鍋で応援消費

連載12 一つ星のアンテナショップ

関連リンク

一般社団法人 地域活性化センター

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