書籍金田誠

写真集 乱声(らんじょう)南信州 新野の雪祭り

「親から子へ、子から孫へ」伝統の祭りをつなぐ人々

2022 年 2 月 写真家 金田(かなだ)誠

小正月、1 月 14 日深夜、屈強な男たちが激しく壁を打ちつけ、大声で「らんじょう、らんじょう」と叫ぶ。大松明に火が点けられると鈴が鳴り、笹の葉が擦れる音が境内を跳び回る。祭りの最高神「幸法(さいほう)」の登場を促しているのだ。

撮影 写真家 金田誠(かなだまこと) 


舞台は長野県の南端、阿南町新野(あなんちょう・にいの)。室町時代から続いているという「新野の雪祭り」(国指定重要無形民俗文化財)。ここでは日本の多くの地域と同様、過疎化が止まらず、少子化・高齢化は進み、世帯数は減少、一面の水田は畑に、一部は耕作放棄地に、住まいは空き家になっています。そこで行われる何百年も続けられてきた伝統の民俗芸能、支えているのは長老やベテランだけではありません。次の時代を担う子どもたちが「寒い、眠い、煙い」に耐えて、朝まで大人同様に役割を担っているのです。


自分の生まれ育った地で続く伝統行事「新野の雪祭り」。進学や就職で地元を離れていてもお祭りには戻ってくる若者、小さなうちからお祭りに参加する子どもたち、それを見守る地域の大人たち…。そんな姿を見て、撮り続けていく中で「親から子へ、子から孫へ」を実践している家族に出会い、親子孫・兄弟姉妹で参加している人たちに出会いました。みんなで儀式の流れを、舞の作法を伝えていこうとしています。

全国で祭りを継承していくことの難しさが問題とされる中で、どうにかして乗り越えようと関係者は努力を続けています。


2 年続けて祭事が中止になってしまった今年、このお祭りをより多くの人に知ってほしい、見にきてほしいという思いから 6 年分の写真を整理しました。本書が、新野がどこにあるかも知らない人に、民俗学や伝統芸能に興味のある人に、全国でお祭りの継承に関わっている人たちに届きますように。

写真集の概要

           解説:櫻井弘人
    アートディレクター:三村漢(niwa no niwa デザイン事務所)
        デザイナー:大貫茜(niwa no niwa デザイン事務所)
プリンティングディレクター:鈴木利行(tm & Company)
           編集:山崎紀子(信濃毎日新聞社)

発売日 :2022 年1月 21 日(金)
書名  :写真集「乱声(らんじょう)南信州 新野の雪祭り」
仕様  :オールカラー96 ページ
ⅠSBN:978-4-7840-8838-6 C0072 ¥2300E
価格  :2,530 円(本体 2,300 円+税)
販売委託:信濃毎日新聞社

写真集「乱声(らんじょう)南信州 新野の雪祭り」の購入

【信毎 本の Web】信濃毎日新聞社ネットショップ 乱声(らんじょう) 南信州 新野の雪祭り

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金田誠(かなだまこと)のプロフィール

金田誠(かなだ・まこと)1954年長野県生まれ。

東京都墨田区在住。趣味で写真撮影を始め、90年代にパソコン通信NIFTY-Serveの写真フォーラムに参加。96年キヤノンテニスフォトコンテストでグランプリを受賞し、審査員だった水谷章人氏が講師を務めるEOS学園スポーツ写真撮影講座を受講。2003年JCIIスポーツ写真撮影講座「水谷塾」を修了(1期生)。翌年キヤノンフォトクラブ スポーツ写真愛好会を設立し、現在まで代表を務める。14年蒲田女子高硬式野球部(東京都大田区)に4年間密着した個展「頂点を目指す!」を開催。グループ展は「この一瞬(とき)に魅せられて」「フォトジェニック・スカイツリー」「星々の集い」「丸の内写真倶楽部展」「新野フォトクラブ展」などに参加。ほかにポスター、カレンダー、テレビ番組、ウェブなどにも作品を提供、JPIOフォトインストラクターとしても活動中。

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