地域のマーケティング戦略

新型コロナの感染拡大によって、売上や集客で苦戦してきた自治体アンテナショップだが、最近、復活の兆しが見えはじめている。新規出店、移転、リニューアルなど、「攻め」の運営に取り組む店舗もある。

2022年11月19日 筆者撮影

「北海道どさんこプラザ」は、新型コロナがまだ収まらない2021年に、羽田空港店(東京)とあべのハルカス店(大阪)を開設し、今秋には海老名店(神奈川県)、奈良店(奈良市)が加わり17店舗となった。内訳は、道内3店、道外11店、海外3店だ。1999年にオープンした有楽町店を皮切りに店舗を増やしてきた。同店は、地域活性化センターの調べによると、調査開始以来、売上、入館者数とも常に国内トップクラスで、新型コロナ前には年間10億円以上を売り上げている。

どさんこプラザの設置目的は、展示・販売等を通じて道内の生産者のマーケティング活動を支援することだ。「テスト販売制度」は、国内5店舗、海外2店舗で実施されており、生産者は新商品をどさんこプラザで3ヶ月間販売し、売上が好調な商品はその後も3ヶ月間販売を継続できる。販売期間終了後には、店からの評判や評価などのアドバイスが受けられ、商品改良につなげている。また、売上上位の商品は定番商品として店舗で引き続き販売されることもある。

 有楽町店と札幌店では売れ筋商品やテスト販売商品等の売上データをHPで公開している。有楽町店では、菓子類のじゃがポックル、赤いサイロ(チーズケーキ)、水産加工品のいかめし、畜産加工品のジンギスカンのラム肉などが売れ筋であることが把握できる。また、北海道食産業振興課の担当者によると、昨年オープンした羽田空港店とあべのハルカス店の顧客や消費傾向に特徴があり、羽田空港店は、出発ロビーに位置し、旅客や空港内勤務者のニーズがあり、フェア等で1万円以上の夕張メロンなどの高価格商品が売れる。あべのハスカスは関西のだし文化の影響なのか高級昆布が売れているそうだ。

「知られざる、新しい北海道の特産品を見つけて購入してほしい」との担当者の言葉に誘われて、筆者はさっそく有楽町店にある「ルーキーズステージ」と呼ばれるテスト販売コーナーを訪ねた。ラーメン、ジンギスカンなど北海道らしい品々に加えて、ご当地コスメやユニークな商品もあり楽しく買い物ができた。 顧客を楽しませ、生産者をサポートして実績を上げてきた、どさんこプラザの22年間の実績から、あらためて自治体アンテナショップの“マーケティング戦略”の重要性を痛感した。

  地域活性化センター 畠田千鶴 

(Kyodo Weekly・政経週報 2022年11月14日号掲載)

連載 コンテンツ

連載1 アンテナショップ 成功のカギは立地にあり

連載2 テストマーケティング めざせ!定番商品

連載3 都会で味わう 望郷の正月料理

連載4 アンテナ店売上げ減少 デジタルで新たな挑戦

連載5 デザイン力で地域をPR

連載6 地酒でつながるアンテナショップ

連載7 SDGsとアンテナショップ

連載8 旬の果実をプロモーション

連載9 新米を味わう旅

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