お寺の日本地図 名刹古刹でめぐる47都道府県
お寺がわかればその土地がわかる!
東北のオススメ古刹は芭蕉に聞け? 善光寺にはなぜ宗派がない? 各都道府県を代表する寺をひとつ選び、その地域性を解き明かす。
プルメリアのコメント
約7万7000戸もある寺院は、今や人口減少に伴い「消滅」への加速化が進んでいる。寺院とは何か、日本人とは何か。そんな思いから、一県に一ヶ寺を俯瞰的に観察し、取材・執筆した本。
昨今から続くコロナ渦、感染症対策を万全にした筆者は、独自の基準で厳選した47都道府県の寺院リストを片手に、200ヶ所近くの寺へ〝全国行脚〟の旅に出る。
記録が残っているか、地域やライフスタイルに影響を与えたか、訪問者にとって訪れる価値があるかー。これらはすべて、読者へ対する〝一度は訪れてほしい〟といった筆者の熱い思いがある。
多くの寺院には、盛衰を繰り返してきた長い歴史があるが、「けんちん汁の由来は、食を無駄にしない修行僧の工夫だった」
「法隆寺で有名な正岡子規の俳句は、実は親友であった夏目漱石の句を参考にした」など、〝人の温かさ〟も多く存在したことがわかる。
本書では、『教学(仏教学、宗学)は存在するも、寺院学は存在しない』と述べている。寺院通の人も、寺院に興味を持ち始めた人にとっても、身近な一冊になるのではないか。
新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの寺院では、法事や葬儀の減少および簡略化を余儀なくされた。しかし筆者は、〝疫病退散の祈祷を行い、多くの僧侶の毅然とする態度〟を目の当たりにする。結果、『旅に出た価値があった』と、力強い言葉で締めくくっている。
書籍情報
文春新書
お寺の日本地図
名刹古刹でめぐる47都道府県
鵜飼秀徳
定価:1,100円(税込)
発売日:2021年04月20日
ジャンル:ノンフィクション
書名(カナ) オテラノニホンチズ メイサツコサツデメグルヨンジュウナナトドウフケン
ページ数 320ページ
判型・造本・装丁 新書判
初版奥付日 2021年04月20日
ISBN 978-4-16-661309-0
Cコード 0295
著者
鵜飼秀徳 (うかい ひでのり)ジャーナリスト・浄土宗僧侶
1974年、京都市右京区嵯峨・正覚寺(浄土宗)生まれ。成城大学卒業。新聞記者、経済誌記者などを経て、2018年より独立。「現代社会と宗教」をテーマに取材、発信を続ける。佛教大学・東京農業大学非常勤講師、(一社)良いお寺研究会代表理事、(公財)全日本仏教会広報委員など。
著書に、『寺院消滅』(日経BP)、『仏教抹殺』(文春新書)、『仏具とノーベル賞 京都・島津製作所創業伝』(朝日新聞出版)など多数。