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石井磨里子

助産師 心理学士

「切れ目のない、継続的な母子サポートを」

「助産師」と聞くと、産まれたての赤ちゃんを抱き上げるシーンを一番に思い浮かべるが、助産師にもっと頼っていい場面がたくさんある。

小学校での性教育、思春期や更年期といった女性特有のカラダやココロの相談、周囲の家族やパートナーへのアドバイス、乳がんの早期発見への啓蒙活動など、活動は幅広い。

助産師の石井さんは、特に不妊不育、育児中の悩みや子どもの発達にまつわる分野を得意とし、ヒトの誕生前から数多くの場面で関りを持っている。

これまで、成育医療研究センター、国立名古屋医療センターで勤務し、母乳育児ケアを学んできた。2013年より、シンガポールの地で助産師活動をスタートさせた。

「まずは、“切れ目のない、継続的な母子サポート”を確立させたかった」。

と当時の意気込みを振り返る。

異国の地で、不妊や育児で悩む邦人女性が多くいる現状を目の当たりにし、

「現地の医療システムで、困難である文化の違いや言語の壁をとりはらい、“その人らしさ”を失わずに、生き生きと過ごしてもらいたい」。

邦人向けの母子サポートをはじめ、現地の医療機関との“橋渡し”を担う決心をし、助産師として全力でサポートする自分の姿を描いたという。

シンガポールを拠点とする民間医療機関「Healthway Medical」では、Clinic Executiveとして、1万件以上のシンガポール在住邦人への母子サポートに携わった。

「特に海外では、言語の壁による育児不安が生じやすい。一人で悩んでしまい、産後うつになるリスクもある。日常的な育児へのサポートがこんな数になるとは、とても驚きました」。

育児などで困った時の「誰に、どこに、相談すればいいのかわからない!」といった大きな壁を解消したいと話す石井さん。

2021年には、日本での助産師活動を柱とした「ラセゾン」を開業し、オンラインでの海外在住邦人への母子サポートを通じて、育児世代からのさまざまな“声”や“思い”を丁寧に受け止める。

また、助産師の数が少ないうえ、人手不足も目立つ。石井さんのように「グローバルに働きたい」といった夢を持つ助産師・看護師を目指す学生たちが、今日も石井さんの講義を受ける。もちろん、石井さん自身も学生として学び、精進する日々だ。

セゾンとは、フランス語で「季節」。

「あらゆる四季があるように、女性にもそれぞれのライフステージがある。そんな女性たち一人一人と向き合い、いつまでも続く関係性、信頼関係を築きたい」。

まさに今、母子サポートの新たな制度づくり、医療者と企業経営者が連携したヘルスケアサポートづくりの一つである「プレコンセプションケア」を日本で広めようとしている。

プルメリア オリジナルコンテンツ(2022.6)

コラム 「海外在留邦人へ向けた母子支援、「伴走者」の助産師を目指して」

助産師として、2013年より、シンガポールの地で在留邦人を対象とした「母子支援」を開始し、現地医療機関と患者の「橋渡し」に携わってから、9年の年月が経とうとしている。一方、本当に必要な母子支援はなにか、日本と海外における課題が見え始めている。

コラム全文

プロフィール

石井磨里子  助産師 心理学士                  
2012年まで成育医療研究センター、国立名古屋医療センターで勤務。2013年よりシンガポールで助産師活動を開始し、民間医療機関Healthway MedicalのClinic Executiveとして1万件以上の母子サポートに携わる。2021年、日本での助産師活動を柱とした「ラセゾン」を開業。オンラインを通じた海外在住邦人への母子サポートのほか、国内での助産師・看護師の育成やキャリアアップ支援、教育機関などで発信活動を行う。

詳しいプロフィール

関連リンク

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ラセゾン助産師石井さんのホームページ

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