首都圏の「綻び」-記者が出会った識者と考察
長竹 孝夫(ながたけ・たかお) ジャーナリスト(自治問題)兼 非常勤職員
「一度しかない一生」「生まれてきたかいがあった」と思える社会環境をイメージし、識者らの貴重な意見と社会の論点を整理。「首都圏の綻び」と題して、各種テーマを考察した。これを機に「国際的事象」などにも触れた。
綻び(ぶ)とは、「梅の花が綻ぶ季節」とか「子の愛らしい姿に自然と顔が綻ぶ」といった言い回しがある一方で、縫い目がほどける、つまり「物事に変化が起こり、整合性が無くなること」の意味合いがある。首都圏で特に「整合性のなさ」を感じる。
本書は、自治問題などに取り組む大学生や市民グループのほか、企業や自治体職員、議員…等々。分野別では公害、環境・エネルギーのほか、福祉、教育、暮らし、医療、健康、自然保護などに関心のある方々にお読みいただき、少しでも身近な課題を「共有」していただけたら光栄である。
目次
はじめに
第1章 原発事故と鉱毒事件の共通性
魚が消え、稲や桑も枯れた
「真の文明は山を荒らさず…」
「いつか帰れる日を つるしびなに託して」
「原発恩恵」の享受は?
大事故はいきなり起きない
足尾に「汚染土」や危険な堆積場
「いつも犠牲者は大衆だ」
「百年の悔(い)を子孫に…」
渋沢栄一「道徳経済合一説」は?
第2章 東日本大震災(3・11)の教訓
トラックの物資が降ろせない
仮設市街地・集落づくり急務
「情報の孤島だった」
せり上がったマンホール
東京の帰宅困難者・9万人
「首都機能のバックアップ」
第3章 大災害の備え・老朽インフラ
「立川断層」は大丈夫?
江東三角地帯、電柱対策…
頻発する「豪雨被害」
「富士山噴火」で首都圏マヒ
インフラ対策「待ったなし」
第4章 暮らし・街づくり・自治体
ホームレス対策怠ると…
「空き家」は貴重な資源
スラム化する「限界マンション」
エスカレーター事故の防止
東京の「かじ取り」タイプ
世界遺産・富岡製糸場の「陰」
第5章 子ども・高齢者・介護
「何も食べてないもん…」
介護職員の職場改善を
どう選択したら? 「高齢者住宅」
育児に介護の「ダブルケア」
第6章 社会・健康・医療の今
「ストーカー病」と「孤立死」
「認知症」と見守り
「健康リテラシー」
AED「サスペンスゲーム」
児童・生徒「がんを知ろう」
第7章 身近で貴重な自然と山々
残したい「武蔵野」の面影
歴史的空間「見沼田んぼ」
筑波山、渡良瀬遊水地、尾瀬…
雲取山、丹沢山地の今
農業を楽しむ女性たち
第8章 近未来に向けた「視点」
次世代は「大脳ドローン」
AⅠは「因果関係分からない」
「箸」文化の大切さ知ろう
「地球サミット」と貧困
教育は「国家百年の計」
第9章 国際的事象と政治家の言葉
東芝機械ココム違反事件と「KGB
杉原千畝「命のビザ」
「言葉の政治家」ワイツゼッカー
権力監視と「人間優先」
おわりに
識者一覧
長竹 孝夫(ながたけ・たかお)のプロフィール
長竹 孝夫(ながたけ・たかお)
1953年、栃木県佐野市生まれ。
獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒業。中日新聞社(東京新聞)入社。取材記者として浦和支局(現さいたま支局)を振り出しに東京本社社会部へ。警視庁クラブで東芝機械ココム違反事件、東京都庁クラブ(通算7年間)で鈴木都政、青島都政などウオッチ。環境庁(省)記者クラブ時代にブラジル・リオデジャネイロで開かれた「国連環境開発会議」(通称・地球サミット)取材。
その後、特別報道部、前橋支局長、社会部次長兼論説委員(総務省、石原都政など担当)、校閲部長など経て編集局編集委員として7年間、首都圏オピニオンコーナー担当。2018年12月退職。日本記者クラブ会報委員(2019年7月~21年6月)。この間、東京都・都営住宅高額所得審査会委員(4期8年)、首都大学東京(現・東京都立大学)オープンユニバーシティ講師、獨協大学経済学部特別講座講師など歴任。
<現在>ジャーナリスト(自治問題)兼 非常勤職員。
編著『無党派知事の光と影 激動の青島都政追跡』(東京新聞出版局)、共著『埼玉事始』(さきたま出版会)。
書籍情報
- 出版社 : あけび書房 (2022/9/10)
- 発売日 : 2022/9/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 182ページ ¥1,650円
- ISBN-10 : 487154219X
- ISBN-13 : 978-4871542197
- 寸法 : 12.8 x 1.4 x 18.8 cm
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