連載「旬の果実をプロモーション」
果物のおいしいシーズン到来!都内のアンテナショップのフルーツフェアが真っ盛りだ。初夏には宮崎マンゴー、夕張メロン、山形のさくらんぼ、盛夏の今はスイカ、桃、ブドウ、初秋には梨が続く。飲食スペースのあるアンテナショップでは、地元産フルーツのデザートも販売される。茨城県のアンテナショップ「イバラキセンス」では、Jリーグ鹿島スタジアムの名物「メロンまるごとクリームソーダ」が期間限定で味わうことができる。
「とっとり・おかやま新橋館」では、鳥取県のスイカ、二十世紀梨、岡山県の白桃、ブドウなど両県の果物が収穫時期に販売され、公式オンラインショップでは、お中元などギフト需要にもつなげている。7月には、館内の「ビストロカフェ ももてなし家」で、岡山白桃が丸ごと入ったパフェ、タルト、チーズケーキなどを販売し、「白桃メディアセミナー」も開催し、花から果実となるまでのスライド上映、カットの仕方、パフェの試食など白桃の魅力を伝えた。
岡山県では、白桃や高級ブドウのブランド化と新規顧客の開拓などをめざして、2005年からマーケティング(売れる仕組みづくり)を強化し、首都圏や関西地区、アジア地域(台湾、香港、シンガポール、タイ、マレーシア)では、夏から秋にかけてプロモーションを展開している。都内では、銀座三越、伊勢丹新宿本店、日本橋三越本店、千疋屋総本店、銀座千疋屋、サン・フルーツ、新宿高野で果物フェアが行われ、併設のパーラーのスイーツに取り入れられることもある。
岡山県では、ポータルサイト「岡山クラフト果実」を開設し、フェアのスケジュール、果物の育成状況、オンラインショッピングの情報提供に加えて、アンケートに答えると、白桃や高級ぶどうが当たる「お試しキャンペーン」も楽しめる。
岡山県の発表資料をみると、桃・ぶどうの売行きは、コロナ禍で販売が困難な中、健闘している。東京都中央卸売市場の状況は、岡山県産の桃・ぶどうの販売量、販売額の2021年の対前年比は、数量で115%、販売額117%と増加し、コロナ発生前の2019年との比較でも数量107%、販売額126%と増加している。輸出も順調で毎年増加している。
都内で販売されている桃やぶどうは、福島県、山梨県、長野県産が主流だが、岡山の白桃やぶどうは「高品質・高価で入手が難しい憧れの果物」として存在感を増しつつある。今後は、海外のファン拡大が楽しみだ。
地域活性化センター 畠田千鶴
(Kyodo Weekly・政経週報 2022年8月15日22日号掲載)
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